「ねぇ、ジュース買ってきて」
窓の向こうをぼんやり眺めていた私に誰かの声が掛かった。
多分クラスの
女子共・あいつら
だろう。

「――……はぁ」

私は小さく聞こえないように溜息を吐き、あいつらに近づく。


「何のジュースを買ってきたらいいんですか」


「いつものやつ」

……いつものやつ、ね

「わかりました」

そう呟いて私は女子共に背を向けた。

「早くしろよ。パシリ」

「――……。」

何も言わなかった。

教室の扉を私は静かに閉めて
廊下に出ると教室の方からあいつらな声が聞こえた。
「あいつって暗いよね―」
「きもいし」
「喋べんないし」

――……。

「だからパシられんだよ」

私は悔しさに強く拳を握り閉めて
その場を去った。