この想いだけは きっと
色褪せることはない……

そして 一生忘れない

かけがえのない日々を……


――2006年3月10日(金)

県立夕日ヶ丘高等学校一般選抜当日

もう少しで咲くであろう桜は、まだ蕾のまま。
本当にあともう少し。
そんな咲きかけの桜を見ながら、それと自分の今の状況を照らし合わせていた。

あともう少し、今日一日頑張ったら終わりなのだ。

そう思うと、私は嬉しくなった。

私は、両親の言い付けで、この高校を半ば強制的に受けさせられた。
最初は嫌がっていたが、親に反対ばかりされているうちに、だんだんと抵抗するのにも疲れてきて、最終的にはこの高校を受験することになった。

「結局どこ行ったって勉強すること変わらんやろうし」

そんな安易な理由を胸に、試験勉強の最終確認を行っていた。

「えーと、これは関係代名詞のwhoやからー……」

真剣な目つき顔つきで、勉強していると、何かの落ちる音がした。