「………和也」


ベッドに押し倒されたまま、和也の頬に触れる。


「……私、あんたなんか嫌いよ。私には莠馬くんしかいらないの。あんたなんかいらない。退いて。邪魔よ。」


微笑みながら、ベッドの縁に座る。


「……莢華?」


「……なに?」


冷たく言い放つ。


「……俺、本当にお前のこと………「五月蝿いッ!もう聞きたくない。」


和也の言葉を遮る。


「……莢華と付き合ってるとき、全員と縁切ったんだ。でも、あの日……あの女が俺ん家来て……追い返そうとしたら………」


和也…………


和也がそこまで悪い訳でも無いみたいだね。


その言葉が嘘だとしても私は信じるよ。


「ごめんね。……和也。私………莠馬くんが好き。」


復讐なんて考えなければ良かった。