分岐点。



翔子に挨拶して、背を向ける。



「二人っきりになったね」

「気色悪いこと言うな」

「竜宮さんとがよかったかな?」

「どっちでもいい」

「つれないなぁ」



俊樹は溜息をついた。



「竜宮さんも、君の何処がいいのかね?」

「俺はべつに、翔子に特別好かれてるワケじゃねぇぞ?」

「いや、好かれてるってのが重要なのさ」

「だから…」

「竜宮さんは大抵、一人で帰る」

「あいつ、陸上部に友達いないのか?」



俊樹は呆れた様に首を振った。



「いるよ。でも、一人で帰る。そして、竜宮さんはいつも、誰も誘ったりしない」