そのときばかりは、怒りで震えていた。
こんな状況で、「おっ!やっと泣くのか?」
なんて聞いてきやがる。
こんのクソじじい。
俺は、幼く、そして弱い。
大の大人に勝てるわけない。
そんなこと分かっていた。
でも、ぶつかっていく事以外俺の怒りを抑
えてくれるものは・・・なかった。
「あ゛ぁ゛ーー!!」
悔しくてしょうがない。
だからこのときばかりは泣いてしまった俺。
叫びながら親父に突っ込んでいった。
今思えば、この決断が悪かったのか??
こんなことをしなければ忘れずに済んだか??
俺が、被害を受け続ければよかったのかもな。
泣き喚けば、俺ばかりにやったよな?
でも、そんなのもう今更で。
―――ゴンッ!!!・・・・・・。
親父に突っ込んで行った俺。
そして、なにかで殴られたような鈍い音が
響いている。
親父の手には、血の付いた花瓶。
もちろんその血は・・・俺のだ。
俺は、床に倒れる。
痛すぎて涙なんか出ない。



