都合のいい私

『…………ちょっと転んじゃって……』


転んだのは嘘じゃない


『血がすごいよ。早く手当てしないと』


『白石さん……私大丈夫ですから……』


だから帰ってほしい


これ以上リョウの前で話していたくない


『アヤちゃん店の中に戻ろう』


『え?』


予想もしてない言葉に驚いた


『休憩室に救急箱あるし早く手当てしたほうがいいよ』


『………わ…私……大丈夫です……』


そう言ったのに


『早く行こう』


私の声が聞こえてないのか


白石さんは私を連れて行こうとする