都合のいい私

『アヤちゃん?』


私を呼んだ後にだんだん足音が近付いてくる


でもリョウがいるから返事をする事も出来ないでいる


返事をしない私を


駐車場の奥にいる私たちを


心配してくれてるのかもしれないけど


今はほっといてほしい







でもそんな思いも虚しく足音はどんどん近付いてきて


私の横までくると今日一緒にシフトに入っていた白石さんが


「こんなとこで何してるの?」と聞いた


『……いえ、別に…』


顔は殴られなかったし


気付かれないように普通に答えたつもり


でも白石さんはその場から離れてくれなくて


『アヤちゃん足どうしたの?』


気付いてほしくない事に気付いてしまう