都合のいい私

『………リョウ……やめ…て』


苦しくてやっと出した声に


『俺は絶対別れないからな!』


リョウはそう答えた


『俺はおまえだけなのになんでおまえは他の男にも媚びてんだよ!
変わるのは俺じゃなくておまえだろ!』


胸倉を掴んでた手を離しても


私を責める事を止めない


友達が見てるのに


止めてくれてるのに


その声も聞かない


『………私…ほんとに……何もしてないのに…』


小さく呟いた私の声がリョウに届いたかはわからない


リョウからの返事はなくて


そのかわりに私を呼ぶ声が少し離れた所から聞こえた