都合のいい私

私を見つけたリョウは


今までにないくらい怒った顔で


近づいて来るリョウが怖かった


『なんで電話出ねぇんだよ!!』


私の胸倉を思い切り掴んで大声で叫ぶ


周りにいるお客さんが私たちを見てるけど


リョウはそんなの全然気にする様子もない


リョウはいつもそう


怒ると周りが見えなくなる


そんなリョウに驚いたのはリカも同じ


だけど………







リカは驚きながらも私を庇おうとしてくれた





『……リョウ君、ごめんね。アタシが――』
『うるせぇ』


でもリョウはリカの言葉を最後まで聞かなかった