都合のいい私

私の言葉を聞いたリカは


ポロポロ涙を零して「やっぱり殴られたって事なの?」とまた聞いた


『うん』


『その腕だけ?1回だけなんだよね?』


『………うん』


殴られた回数なんてもう思い出せない


でも正直に言えるはずもなくて私は嘘をついた


『……これ……からは…なんかあった…ら……話してね』


泣きながらそう言ってくれるリカの気持ちが素直に嬉しい


だから少しだけ気持ちが楽になって


久しぶりに時間を忘れてゆっくり話した











約束の時間も気にならなくなるぐらいに……










急に聞こえた着信音に驚いて時計を見ると


約束の6時になっていた