都合のいい私

私が言葉を言い終わる前に


耳元でバチンと大きな音がした












一瞬何が起きたのかわかんなかった












でも頬の痛みと驚きで泣きたくもないのに涙が出て


自分が殴られたんだって理解した


自分の言葉に後悔しても遅い


ジンジンする頬を押さえてリョウを見ると


すごく冷たい目で私を見て


衝撃的な言葉を吐く














『泣くなら言うなよ』





自分の耳を疑った


あの優しかったリョウが言ったなんて考えられない











私はその場から


リョウから逃げ出した