都合のいい私

『紅茶飲める?』


『…はい』


白石さんがくれた温かい紅茶に


少し気持ちが落ち着いてくる






『…あの……』


『ん?』


『……ありがとうございます』


『…気にしないでいーよ』


そう言われても何か言わないといけない気がして


『…白石さん…私――…』
『何も言わなくていいよ』


言いかけた私に白石さんは優しく笑った







本当は私泣きそうだった


テツヤ君が声をかけてくれた時も


白石さんが私に気付いてくれた時も


本当は今も何かを話せば涙が零れそうだった


だから白石さんが止めてくれなかったら


私はきっと泣いてた