まだそういうムードなわけではないので、観覧車に近づくのに、そんなに時間がかからなかった。 「ほんとにのるの?」 俺は恋花に言う。 「うんっ♪」 その笑顔も見せられるとなにも言えない。 ……惚れた弱みだな。 心の中で、そう言った。 「どうぞ~」 係の人に誘導され、乗り込む。