………………………


コンコンッ


「はい、どなたででしょう??」



『こんにちは。この度、あなたのお父様から依頼をまかされた、九鬼鬼姫と申します。』



「まぁ!!」


ガチャッ



『初めまして。麗しい方……』



「えっ!!あ、あのっ!!私、娘のサラサと申します!!」


サラサは顔を赤く染めながら名乗った



『美しい方だ……ところで、少しお話しを伺っても?』


………何事も女性には紳士な鬼姫だった




「えっ…ええ……」




『ではまず、シダム・レデムに会った事は??』


「私もタマラも噂をお聞きしたことしか…」


『ほぅ…それは、どのような?』



「黒の短い髪にアゴにヒゲをはやした大人の方と………」


(ダンディってことか?)



『性格については??』


「情熱的なかただと…」




(悪いやつじゃなさそうだけどな……)


『ありがとうございました。』


「ええ、こんな事でよろしいの?お役にたてましたかしら?」



『ええ、とても参考になりました。』


「それはよかったわ!」



『……そういえば、恋をなされていると』


「まぁっ!!お父様ねっ!!!」



『名も知らない男性だそうで』


「やっぱり変かしら…名前も知らない方に恋をするなんて………」



『気を落とさないでください、感情なんて好きにコントロールできるものではありません。……それはそれで必然なのでしょうから。』




「ありがとう。お優しいのね………」



『そんな………』ニコッ




良い人そうに見えるが内心はウハウハである




『その彼のことをきいても?』



「……えぇ、あれは…美しい夜でした。空には大きくてまんまるな月が町を見下ろしていて…」