「み~ちるっ」

「ちょ、ちょっと! なにっ?」

「え? なんかさっきオレの名前呼んでなかった?」



イヤイヤ、呼んでないしー。

ん?

そういえばさっきちょっとだけ、大和って言った?

え、それってアタマの中でだけだよね?



「全然、これっぽちも話題に出てないけど?」

「マジ~? おっかしーな。透に『大和、あっちの女子に呼ばれてる』って言われたんだけどな」



なにーっ!?

透……。さっきの返しに、大和を送ってきたんだ?

チラっとうしろを見ると、透はもう席にいなかった。