それはずっと明梨ちゃんも感じてたんだって。


だから、自分がお兄ちゃんを好きになればお父さんもいずれは二人の仲を認め、お兄ちゃんを好きになってくれるって願ってたみたい。


いや、ドラマでは……そんな簡単にはいかないよね。


もっとドロドロ。二人共、出ていけーっ!!ってなりそうだけど。


「あ~、明梨……もうムリぃ。やめた。お姉ちゃん、わたし出直して来る!!」


「えー!? もっと頑張ろうよ。ほら、押すから……」


「嫌ぁ~。もう足動かなーい。あっ、彼氏からメール。

『バアチャンちに行ってたけど、今日の夜帰る。泊まりに来い』だってー。

きゃ!行っちゃうよ!……やっぱ彼氏んち行こーっと」


え。


明梨ちゃん、走るのやめて立ち止まる。


「お兄ちゃんをよろしくお願いしまーす」


ニコニコ笑って、私たちを見送ろうとする明梨ちゃん。


そんな明梨ちゃんを見て、透は明梨ちゃんの腕をグイと引っ張る。