「じゃ、オレも小堀のヘン顔……作っていー?」


「へっ?いや、私は……このままがヘン顔だからぁ」


ズリズリと、透とは反対の方向にお尻をずらす。


プッて笑うかと思ったら、透は表情を一切崩さない。


うわ、嫌だ。


人にやっといてなんだけど、透にヘンな顔見せたくないよーっ。


「嫌……。やめよっ」


「やめない」


ぎゃ。透が、私の肩をギュッとつかむ。


やめようよぉ。これ見て、冷めたって言われたら……立ち直れない。


「私、ホントにヘン顔になるっ。笑えないから!」


「いいよ、別に。笑わないし……」


へっ。うわ、マズイ。もう、うしろがない。


ズリズリしたけど、教室の角まで来てしまった。


ゴクリ。