「痛ーーーーっ!!! ちょ、小堀、なにっ……。いててっ」


私は、透の柔らかいほっぺをつかんで、一気に両方向に引っ張った。


「キャーッ!!!透の顔っ、最高。おもっ……おもしろい……」


いつもはカンペキな透の整った顔は、お餅のようにビヨンと伸びた。


あの透がこんな顔に!?ありえないっ!


けど、笑えるっ!


いつもスましてる透は、痛がるのと私の引っ張るのとで……悲惨な姿に。


ひーっ、お腹痛いっ!


ゲラゲラ笑いながらも、透のほっぺを色んな方向に引っ張ってみる。


「笑うなって……。コラ、小堀。くそっ!」


透はギュッと目をつぶり、片手で私の腕をつかんで引き離そうとする。


「私の一発芸はね!透のクールを崩すこと~」


「んなもん一発芸じゃないっつの……。ちょ、マジでやめろって……」


「ハズかしい?だよねー。でも、そんな透も好き!

透はもっと、砕けててもいいと思うんだ。いつもと違う自分も、たまにはいーもんだよ!」