ラブシチュエーションアイツが弟?

明梨=『かわいい妹』……の図式が、

『得体の知れない女』に変わった瞬間だった。




「お前……なに言ってんの?」

明梨を軽く突き飛ばす。

でも、全く動じるコトもない。

「え? そんなの当然じゃない。だって、明梨のお兄ちゃんなんだもん。

いい彼女と付き合って欲しいし、いつもどんなコトしてるのか気になるよ?

お兄ちゃんたちが部屋に入ったあと、壁に耳あてて……盗み聞きしてるんだ~。

昨日は水沢さんが、ちょっと大胆だったよね!」




「うふふ」と、楽しそうに笑う明梨に、寒気がした。

いつも……全部聞かれてたってコトかよ。




……最悪だ。