ラブシチュエーションアイツが弟?

保健室に入ると、保健の先生はいなくて、ふたりきり。

ふと、昨日の水沢の『キス』って言葉が頭をよぎる。

……オレ、殴られて口ん中切ったし、

気持ちもボロボロだし

こんな状態で、あんまり気乗りしねぇな。

なんて、思っていたら。





「透……。私たち、別れよ」

根拠はないけど、

水沢はオレのコト好きだっていう、そんな自信をいつも持っていた。

それだけに、一瞬何を言われたのか、理解できなかった。

「……水沢?」

「ごめん。もう、限界。

あんなの見たら、もう……無理だよ」

「いや、マジなワケないし」

呆れたな。……水沢まであんな落書き信じてんのか?




そしたら。

「明梨ちゃん、なんか怖いんだよ。私、いつも見られてるの」

は?