男なのに情けないって思いながらも、

まるで年上に教えられるかのように、受身のオレ。



扉が開いてるなんてコトは、すっかり頭から抜けていった。

しばらく水沢にされるがまま……。

ヤバ……。



「……ちょ、ちょっと待てって」

我に返り、水沢の肩を押し返し、顔を見ると

彼女はまだ不安そうな顔をしていた。

「どうして? 透……イヤなの?」



イヤっつーか……。

場所が……気になる。

家に誰もいないなら、いいけどな。

「まさか」

「だったら……どうして?」

「いや、また今度な? 家だし……ほら、ちょっとなぁ」

「じゃあ、明日学校でして」

学校は学校で……ちょっと。

そんな、どこでも構わずってヤツじゃないし、オレ。