ラブシチュエーションアイツが弟?

ドッキーン!

透の瞳はさっきより、確実に優しくなってる。

うわ。うわ。うわ……。

カク、カク、カクと

色気皆無で、ロボットのように固い動きで何度もうなずく私。

自分からキスせがんでおいて、くるってわかったら、ガチガチで何もできやしない。

えぇ……ヘタレです。





「……しょーがないな。せっかく明日までとっとこ~と思ったのにな」

ニヤリ笑う透に、もうメロメロです。

ダメだ、キスしながら気失うかも。

ヤバすぎる。透のこの表情……。

いつものクールな無愛想どこへやら。

「うん。明日のキスは、また明日すればいいし……」

「ふ~ん。そんな何回もしたいんだ?」

はいっ?




なんかSっ気出てきたけどぉ。

透がだんだん意地悪になってきた。

「何回もっていうか……」

「……なんてな。何回でも、オレはい~けど」

そんなコトを言いながら、透が私の肩を抱く手の位置が少しずれてきて、

指先が、そっと首筋をなぞる。

ひゃあっ。

ぞぞっとしたけど、口には出さないでいた。

ムードを壊さないために……。