ラブシチュエーションアイツが弟?

「水族館か~。そういや最近全然行ってないな」

ドキッ!

突然、透の声が右斜め後ろから聞こえてくる。

ちょ……ちょっと?

パソコンを見るのに、やたら接近されてますが……。

しかも。



「あ……ちょっと待った。オレ、さっきこのページ見たかった」

そう言って透はいきなり、マウスを持つ私の手に、自分の手を重ねてくる。

無意識?




透はなんてコトなさそうに、クリック、クリック、クリック!

私のドキドキのツボも、クリックされちゃったよ。

指先に神経集中!

やっば~い。




近寄りすぎだよ。

透は液晶画面が見づらいのか、屈んで私の顔の真横に顔を寄せてきた。

近い、近い!

私の心の声は届くはずもなく、透は真剣。

「あ、悪いな。見ていーとか言いつつ、オレのが夢中んなってた……」

フッと突然私の方を向いた透と、至近距離で見つめあう。

「う……」

じっと見てたのバレちゃった。

しかも……、私。

ドキドキし過ぎてヤバい。