「みちる、ホントに透が好きなんだな。……なんか今までのお前からしたら、考えらんね~や」

大和はソファから私を見上げ、ふぅと小さくため息をつく。

「そこまで言うほど、私のコト知らないくせに……」

「知らないけど、知ってる。実を言うとさ、オレがみちるを初めて知ったのって高校入る前なんだよな」

えっ?

だって、中学違うよ?

私がキョトンとしてると、大和はソファに座りなおし、自分の膝の上に両手をのせる。




「中3のとき、塾で一緒だった」
塾?

塾は行ってたけど……。確か1クラス15人ぐらいだっけ?

何クラスかあって、成績でたまにクラス替えがあった。

「えーっ? あん中に大和いたぁ?」

ヤバい……。全然記憶がない。

同じ中学の子でも、違うクラスの子だと、“いるな~”ぐらいにしか思ってなかったからね。

ましてや違う学校となると……。

「いたいた。ってか……やっぱりマジで覚えてないんだ?

うわ……ヘコむ」