ラブシチュエーションアイツが弟?

エレベーターに乗り、1階のエントランスまで下りる。

そして、明梨ちゃんを駅まで送ろうとして、止められた。

「お姉ちゃん、パジャマだよ」

はっ!

自分の格好を確認し、焦った。

ホントだ。パジャマだった……。

しかも、明梨ちゃん……薄笑い。

もしかして、こういう笑顔の子なのかな。

「明梨ちゃん、真顔になってみて」

「え? 真顔って言われても……。こう?」

……やっぱり。

明梨ちゃんって普段の顔が、自然と薄笑いになってるんだ。

そっか。昨日、ゾクッとしてごめんね。

「じゃあここまでだけど。元気でね」

明梨ちゃんと私は、もう会うコトはないかも知れない。

なんの繋がりもないからね……。

もし、透が実家に戻るコトになったら、いつか会うのかも知れないけど。



「いつか……明梨の本当のお姉ちゃんになってね!」

明梨ちゃんはそう言うと、薄笑いに見える笑みを浮かべ

駅の方向へと歩いて行った。