大倉が答える前にうしろに乗ろうとして、荷台に手をかけたら……。


「ごめん、ひとりで行って。それに、大倉じゃなくて、名前で呼べよ」


……へ?


「あぁ、名前ね。わかった。えーと、私たち姉弟だよね? 透~、私の言うコト聞きなさいよぉ」


こんな所で、まず、姉を主張してみる。


「いや、まだ姉弟じゃないし。それに、間に合わない時間に出てる方が悪いだろ」


シレッと言い放つ大倉に、怒りを覚えるのは私の身勝手?


言われて時計を見てみれば、もう結構な時間になっていた。


教科書見ながら歩いてたから、いつもより歩くスピードがおちてたみたい。


それならなおさら!


「なによー、ケチ! いーでしょ、どうせうしろ空いてるんだから」


無理やり乗ろうとすると、透はスッと自転車を進めてしまう。


えっ!


なんでぇ?