通学途中、歩きながら教科書を読んでいた。


あ~、ヤバいよ。


テスト範囲、全然暗記できてない。


ブツブツ言いながら歩いていると……。


――チリン、チリン!


って、


突然真横で自転車のベルの音が聞こえた。


「うわぁっ!」


集中し過ぎて、真横にひとがいるのにも気付かなかった。


「よぉ」


昨日と変わらず、突然出会ったのに


なんでもなさそ~なそんな顔。


それは……大倉透。