「ちゃんとって……なに?」

「ん。オレに言われたからじゃなく、透がみちるをホントに好きなら……。

ふたりっきりで、一緒に住んでたりしたら、多分フツーじゃいれないと思うんだよな~。隙あらば、みたいな」

「なに言ってんの? 大和じゃないんだから! ならないよ」



「イヤイヤ。そこはオトコとオンナの違う所で……。

ま、オレだって今も好きあらばって思ってるけど、みちるに隙がない」

大和はそう言って、ニヤニヤ笑う。

「じゃあ透だってそーかもしんないじゃん」

「いや、透の場合は……。

ま、いっか。オレはそこまで教えてやんない。

だから、夏休み中にみちるの方が透に近付きたい限界が来たら、オレの勝ち。

パシリじゃなく、オレと付き合おーぜ」

「なに言ってんの? そんなのヤだよ」



「その方が、みちるためだぜ? 生殺し状態続くと体にわり~よ」

「言ってる意味、全然わかんないよ!」

「あっそ。ま、そのウチわかるわ。んじゃな~」



そのまま大和は、ウチを出て行った。

も~、いっつも思わせぶりなコト言って消えるんだから!

ちゃんと最後まで言ってくんないとわかんないよぉ。



……透~っ!!

早く帰って来て。