「大和さぁ、からかうのもいーかげんにしてよね」

「……からかうつもりはねーんだけど。なんつーの?

付き合ったら、手つなぎたくなるだろ? ギュッとしたくなるだろ? その先は?」

「ないよ。そこで終わり。心がつながってればいーんだよ」

ふふっ。

我ながらいいコト言ったな。

ニンマリ笑う私とは対照的に、大和の顔から笑顔が消えた。

「そーいうのは、子供の言うコト。きっと、もっと……欲求出てくるよ」

なーにーを。

大和だって子供じゃん、なにひとりで大人ぶってるわけ?



私から視線を外し、コーヒーカップに視線を落とす。

カラカラとまた無意味にスプーンをまわしていた。

大和のクセ?

ほんっと落ち着きないんだから……。



「透は絶対みちるに手を出さない。賭けてもいーよ」