「いやいや。これにはワケが……。で、一体私になんの用?

さっきなにか話そうと思ってたけど、ウチまで言いに来たのかなぁ~?」


困った風の大倉の顔をのぞきこみ、にっこり笑う私を見て


大倉は目を見開き、驚いた表情に変わる。


……なに?


その反応。


「あれ……さっき、聞いてないんだ」


「え? なにを」


「いや……」


大倉はちょっと言いにくそうな顔をして、チラッとリビングの方を見た。


「再婚する……って話」


「へっ? 誰が?」


再婚っ!?


「ウチのオヤジと……小堀の母さん」


「はいーっ!? なんにも知らないよ!

って言うか、今ウチに来てるお客さんって……お母さんの仕事相手じゃないの?」