ラブシチュエーションアイツが弟?

玄関まで走って、透を追いかけた。

「……私も行こうかな~」

そしたら透がチラッとこっちを向いた。



う……まただ。

席でうしろ振り向いたときにやるみたいに、

なにか言うでもなく、

無表情で視線だけを私に向ける。




笑うとかさ。

……そういう愛想はないワケ?



ドキドキすんだけどぉー。



いつもなら、すぐ私が立て続けになにかしゃべるんだけど

透の顔見て、ちょっとポーッとしてしまう。



無言のときの顔も、カッコイイ~!



私がこんなこと思うようになるなんてね。


そしたら、透の方が先に目をそらした。

敢えてそらしたのかどうかはわからないけど、靴はくのに下を向いていた。



「そのつもりだけど」

えっ?