「抱きついてくる方が、透の本性なんでしょ? この、オオカミ男!」

「オオカミ男って……。なんか他に表現ないのかよー。やっぱボキャブラリー貧困だな……」

「うるさ~い。どうせバカですよー。こーなったら透がイヤだろうが、大和のパシリやってやるから。

で、大和と仲良くなって、付き合っちゃお~かな」

全くその気はナイけど、とりあえず言ってみる。



「はぁ……」

なに? そのため息。

ため息つきたいのは、コッチだっつの!

透は軽く目を閉じると、カバンを引っかけ歩きだす。

「明日テスト、頑張れな。じゃーな」

って言い残し、透は帰って行った。



なんで? ため息つき逃げ?

ちょっと、ウチまで自転車で送って行ってよ~!



なんて、思ってる私は

やっぱり身勝手?