「わたしが……元凶?」


「そう。魔王がこれ程に気を乱す事など、考えなくてもわかるさ。
一の皇子が魔王のものである君に危害を加えた、それだけではないにしても元凶は十中八九、君だ」



腹の底から冷えるような寒気が全身を襲う、


彼がクスクスと笑った。


「可哀想だから早く決めてあげて?命のやりとりだし」

「やめてっっ!!」



叫ぶように言うと、

「君の大事な娘もこう言ってる事だ、目を瞑ろう?」


「…………」



口元に手を当てながら笑ったカインが、ミラに片目を閉じた。



あ………まさか、



ミラに答えを求めたのは、

助けるため………?



すごくわかりにくい表現だった。
でも、怒り心頭のニルならきっと……殺していたと思うと冷や汗が流れる。




ありがとう、と心の中で呟いた。