イシュとミラは広大な雪原に来た。

深々と降る雪は幻想的だが寂しげな景色でもある。

見渡す限り広い真っ白な原っぱは、何処へ行けばいいのかわからなくなった。




「見えますか?遥か上空まで濃密な魔力が周囲を満たしています」




イシュの言葉にゆっくりと瞬くと、穏やかに降る雪とは対象的な眩しい程の光。

嵐のようだった……。


奥の景色ほど、激しく渦巻いている。


道は示されなくてもわかった。



「いくわ、あのずっと奥にニルがいるんでしょ?

わかるの………、


嵐だって構わないよ、わたしは戻らない」



どれだけ歩いても構わない。疲れたっていい、


彼と離れたくないから。




一歩ずつでも進んで、近づいてみせる。



進みだしたミラの後をイシュが続いた。







空はまだ赤く、太陽は見えなかった。