その先を聴こうと思ったとき。



タイミング悪く、チャイムが鳴った。




『三浦君のこと好きでしょ』




頭の中には、久美の言葉が蘇る。




…そんなんじゃないよ…。




違う。




三浦君じゃないよ。




『好きな人』



その言葉で思い出されるのは、浅葱色の後ろ姿だけだった―――…。