自分の部屋に入ると、陽菜は倒れ込むようにベッドに横たわった。 自分しかいない空間の中で。 陽菜の考える事はただ一つだった。 「………………新撰…組」 爽が自分に聞いた。 あの時。 陽菜の記憶の中で鮮明に蘇った。 ………浅葱色の羽織が。 掲げられた『誠』と記された旗が。 手に握られた刀の輝きが。 目に映る血の色が。 鮮明に。