『君は、僕じゃない。
僕の人生は、僕だけが辿ったもの…だから、君が苦しむことはないんだ。
それに、この国に僕達のような終わりを迎える奴はいない。
爽…君は、君だけの人生を歩めばいいさ』



その時、今まで近くで感じていた沖田総司が遠くなった気がした。


『大丈夫♪
……君なら、出来るさ』


次第に体が軽くなって、暖かい物が、頬を伝うのがわかった。


「…勝手に…逝くなよ…」


俺は、沖田総司に謝らなくちゃいけないのに。

“お前みたいな人生を送りたくない”

って、思って…それを謝りたかったんだ。


苦しみたくないと、中途半端に生きてきた俺に、そう言える資格はなかった。


沖田総司が本気でいられたのは、自分の人生に誇りを持っていたからだ。



「……ごめん……………」


小さな声。頬を伝うモノは、止まらずに床を濡らしていた。


…もう、今みたいに後悔したくない。

自分に嘘はつきたくない。


伝えたい言葉は、伝える。


届かなくなってからじゃ、もう遅いから。



幸村さん…


君が好きだ。