夏の京都で、新撰組・藤堂平助は、縁側の真ん中で倒れていた。
竹刀の振りすぎによる、熱中症が原因で。




「平助君、頑張りすぎだよ?」

そんな平助を香織が自室で、看病している。

「ははっ…」

「せっかく明日、一緒に巡回行けるのに…」

ボソッと小さな声で香織はそう呟く。

「え、なに?
そんなに俺と一緒にいたかった?」

冗談で言ったはずが、図星だったようで、平助は香織の平手打ちを受けた。

「ば、ばかっ!!!!」

仮にも病人だった平助は、避けることも出来ず、平手打ちは顔面にクリンヒット。
おかげで平助には、死亡フラグが何本か立っている。

「もしかして…痛かった…?」

平助の異変に気付いた香織だが、それは平手打ちしてから、しばらくして気付いたもので、平助としては、もっと早くに気付いて欲しかった。

「…ごめんなさい」

本気で謝っている香織を見ると、平助が何故か罪悪感を感じた。

「いいって、大丈夫だし!
…それに、こうしてると夫婦みたいだよな」

「え?」

平助には、願いがある。
反幕府軍との戦いが終わって、それからの願い。