痛いぐらい強い力で腕を掴まれ、人気のない静かな廊下までズルズルとひっぱってこられた私は、壁に押しつけられ上から威圧的に社長から見下ろされた。


怖くて顔を上げれなかった。

すでに散々傷ついてるのに、あの冷たい目で睨まれたらもう…完全に泣いてしまう。


そう思ってギュッと下唇を噛み、俯いていると盛大なため息を吐き出された。


いいかげんにしろと、手間かけさせんなと、そのため息が語ってた。


尚更顔を上げれなくなって、俯く私に社長は財布から一万円札を抜き私の手に握らせると…


「タクシー捕まえてとっとと帰れ」


それだけ言って…会場に戻って行った。


もう…立っていられなかった。


こんなとこで泣きたくないけど…勝手に溢れてでてくるものは止められなかった。