呆気にとられながらお姉さんについて行き、螺旋階段をおぼつかない足で上がるとVIPルームに通された。
「…お店、すごい…ですね。すっごく素敵。
何か…私なんかが来てすいません…」
申し訳なくて謝るとお姉さんはキョトン!とした顔して笑い出した。
「アハハ!おもしろい子ね、え~…と?」
「あ、川原サツキです。
雑誌で何度か見たことあったんですけど…実際目で見たら…もう“すごい”の一言です」
そう言うと、お姉さんはクスッと笑って
「あら?それは遠回しに彼氏自慢?」
と、言った。
「え…?」
わけが分からず聞き返すと…
「ここ、手掛けたの『FREE STYLE』の榊さんなんだよね」
意地悪く笑ってそう言った。

