「黙って社長の言う事きいてりゃいいんだ。
…そう頭では理解してましたけど、やっぱり段々気持ちにズレが芽生えてきて…。
最初は……カオリさんが会社に来られた時でした。
私はまだバイトだし、あの店を辞めて日も経ってませんから公の場で私を紹介することはなくても、せめて仲の良い友達には紹介してくれてもいいのに…って。
でも私がカオリさんのパーティーに参加することを頑なに嫌がる社長の姿や、パーティー会場での態度を見たら何かもう…意味が分からなくなりました。
“私って何なんだろう”…って。
外ばっかりきれいに着飾って内心はそんなことが渦巻いてる自分がひどく滑稽に思えました。
きっと……ただのバイトって立場の私だったら文句のひとつも言ってたでしょうにね。
それが今の私じゃ言えなかったのは……」
「俺が…助けたから…」

