「社長が…あの会社をどれぐらい好きか知ってます。
どんなに苦労したかも、どんな思いで創ったかもどれだけ大切かも。
それから……苦楽を共にしてきたかけがえのない蓮司さんのことも知ってます。
それなのに私なんかのためにそれらを捨てようとしたのを知ってるから…。
私を助けるためにどれほどの犠牲を払おうとしたかを知ってるから……何も言えなくて…」
ホントはこんなこと社長に言いたくなかった。黙っていたかった。
だって…助けてもらっておきながらこんなこと言うなんて図々し過ぎるし、大体失礼だ。
でも…社長の言う通り、私たちは言葉足らずだったかもしれない。
“もう同じ失敗は繰り返したくねぇ”
これから先もそばにいていいことを示唆する社長の言葉に突き動かされて恐る恐る、私は口を開いた。

