「なるほど…」
「社長と秘書はある意味ワンセットなとこがあるから、これから先そういうパーティーなんかはサツキちゃんも同伴だと思う。
まぁでも…まだまだ先の話だけどね。だけどサツキちゃんは今はまだ…その…」
急に言い淀む蓮司さん。
「私が…何ですか…?」
そう聞くと、タバコを灰皿に押しつけて火を消すと、私を真っ直ぐ見てから続きを話した。
「“あの世界”から足洗って間もないだろ…?」
「……はい」
「もしもの話だけど…サツキちゃんに気付く奴がいたら…好奇な目に晒されるだろ?
だから…本採用になってもしばらくは秘書としてあんまり紹介はされないと思う。
得意先にも連れて行ったりはないだろうし、アルバイト的な位置だと思う…」

