その大きな音と、突然勢いよく開いたドアに体をビクッと跳ねさせた私は、俯いていた顔をガバッと上げた。
そして…そのまま固まった。だって…この目に映る出来事がまるで夢のようで。
だって……嘘でしょう?
どうしてここに……社長がいるのよ……。
言葉を失い、瞬きを忘れ。何なら呼吸までも忘れた私はただただ、社長を見つめた。
ここは私の病室で。しかも個室で。
それ即ち、この部屋には私しかいないということで。だからここへ社長がきたということは、つまり私に用があってきたはずなんだけど………。
なぜかしら……千ちゃんをジッ…と見つめる社長。
そして千ちゃんもまたイスに体を預けたまま社長を見つめ返した。
その奇妙な目だけの会話はほんの数分…いや、数秒で終わり、先に口を開いたのは社長だった。

