「薬をね?食器棚の奥で見つけたの。それは覚えてる。
でも飲んじゃダメだって、千ちゃんやヨウを裏切ることになるって。
だから見なかったことにして食器棚を閉めたの。
そのあと、すっごい大きな雷が鳴って…―――――――…それからプッツリ記憶がないの。
気がついたらここで、一命を取り止めた…って。
だからね?私自身、薬を飲んだ記憶がないの。食器棚をもう一度開けて、薬瓶を手に取りその蓋を開けて……っていう一連の動作の記憶もなくて…。
ホントに飲んだのかな??…って疑っちゃうぐらいなんだけど、さっきのナースさんから聞いた話だとそうみたいだし…。
ねぇ、千ちゃん…。
私…どっかおかしいのかな…??」
恐る恐るそう聞いた私に千ちゃんは、“脱力”を体現するかのようにグデ~っとパイプイスに体をだらしなく預けた。

