ポツリ…そう呟いた声は雨にかき消された。
後から後から流れる涙を止めようと、上を向いたものの……。
これだけ濡れてたら雨も涙も一緒か…。
私もこのまま……流れて消えてなくなればいいのに…――――――――…。
そう願ったあとからの記憶は曖昧だ。
蓮司さんに見つかって押し問答したような…。
それから走って走って…。
泥が跳ね上がることも、水溜まりも、そんなこと気にも止めずに走った。
気がついたら家にあるお酒を手当たり次第に飲んでて。
やがて飲む物がなくなってもうこの際、料理酒でもいいやと半ば自棄になりながらキッチンや冷蔵庫を漁ってた。
そしたら………食器棚の奥の奥に見慣れた薬瓶を見つけて。
最後にこれを飲んだ時は……社長にすべてを知られた日だったことを思い出した。

