―――…もし、今ハルが立っていたら膝から崩れ落ちていただろう。
目を見開き、固まる…―――…そんな言葉じゃ言い表せない程の衝撃を受けたハルは……悔しそうに顔を歪ませ、頭を抱えた。
「あんたが家に来て帰った後、そう言ってた。
言わなきゃ伝わらねぇとは言ったけど…サツキは溜め込む奴だから難しかったのか……あぁ、失礼…」
話の途中だったけど、鳴りだした院内専用携帯電話を耳に当てて本田医師は電話の向こう側の人と話だした。
ハルは未だショックから立ち直れてはいない様子で、深く頭を項垂れていた。
そりゃ…遣る瀬無いないよな。
サツキちゃんがそんな風に思っていたなんて…。
ハルはただ助けたかっただけなんだ。恋したサツキちゃんを救い出したかったんだ。
サツキちゃんに…笑っててほしかったんだ。

