でも今のままの俺だったら、例え40歳を向かえようともその手には何もなさそうだ。
ダメだ…。
俺こんなんじゃダメだ。
このままじゃ絶対ダメだっ!
「……で、ヨウは親父さんに『あなたの息子は死んだと思ってください。最後に、今まで育ててくれたことに心から感謝してる』。
それだけ言って家を出たんだ。
家を出て、大学も辞めて俺んちに転がり込んできたよ。
ヨウって、バーテンなんだ。まぁ雇われ店長だけどな。
いつか自分の店持つのが夢なんだ。店立ち上げて機動に乗って、一人前になったらリンコと結婚するって。
ちなみに、“リンコ”っつぅのは彼女の名前なんだけど、リンコはあのお姉さんなんだよ」
すげぇだろ?あいつ、初恋実らしたんだ。
……そう言って、本多医師はまたとても優しい顔して笑った。

