ショックのあまりヨウはフラフラと、覚束無い足取りで家に帰った。
これまた人生初のパンチを受けて痛む頬と、彼女を失った胸の痛みを抱えて。
―――――…。
――――――…。
それから幾日かが過ぎたけど、ヨウだけはまだあの日にいた。
受止めきれない現実をどう処理していいかわからず、頭の中だけが忙しなくグルグルとあの日をリピートしていた…―――――――…。
『帰れ!』
『何が息子の不祥事よっ!』
『顔も見たくない!』
『誰のおかげで生きてんだ!』
『娘の事は忘れてくれ』
『飯食えて、住む家があって。大学行かしてもらって、好き勝手してきときながら…何が親父は関係ないだっ!』
―――――…。
――――――…。
鮮明にあの日が簡単に蘇ってきては情けなさと怒りが込み上げてくる。

