インターン・シップⅡ


ハルにそう言われてフンッ、と鼻で笑った本多医師は緩んだ顔を引き締めた。


「そん時のヨウの気持ち……すげぇわかるんだよ。

ずっと…『俺』を見てほしかった。医者だからとか、跡取り息子だからとかじゃなくて、俺自身を見てほしかったから。

ヨウは自分の素姓を隠してたけど、それでも嬉しかっただろうと思う。

だけど…そんな浮かれ気分はそう長くは続かなかったよ」


「え…?」


「バレたんだ。ヨウの親父に。何もかもな。

事故ったことも責任感じて代わりにバイトしてることも」


「それで…どうなったんですか??ヨウ…」


恐る恐る聞いた俺の質問に、本多医師は眉を寄せて険しい顔付きになった。


「金、持って現れた」


「金!?」


「あぁ…。親父さんの秘書が賠償金と銘打った口止め料を持って現れた」